海事普及会

プラネタリウム プラネタリウム本体

海事普及会では越中島会館屋上に設置されているプラネタリウムの上映・整備をしています。東京海洋大学のプラネタリウムは1965年3月に設置された株式会社五藤光学研究所のM-1型プラネタリウムで、国産最古のものとなっています。天文航法の授業や研究で使うことを目的に設置されました。
※レンズ投影方式で全天に恒星が投影でき、惑星の年周運動が自動のプラネタリウムの現役機として(2015年にメーカーに確認済み)

プラネタリウムの椅子

毎年海王祭で上映会を行っています。1年生が操作技術の継承を兼ねてメニューを考えています。海洋大学らしい上映内容と生解説が特徴です。

M-1型プラネタリウムについて

M-1型について

M-1型プラネタリウムは、五藤光学研究所が昭和34年(1959年)に日本で最初に開発したレンズ投映式中型プラネタリウムです。MARSの愛称を持っています。

約4500個の星や月や太陽、水星、金星、火星、土星、木星といった惑星系を投影できること、南半球を含めた全天を映し出すことができること、レンズ式ならではのシャープな星の像が特徴です。最新式のプラネタリウムには星の数や星の明るさで到底かないませんが、2015年から16年にかけて行われた近代化改修工事で10年前の業務用プラネタリウム以上の明るさで星を映し出すことができるようになりました。本学のものは機械の刻印から、M-1型の中でも114号機のもので、また1965年3月に設置されたことがわかります。

制御盤

当時(山手線の初乗りが10円だった頃)の価格で約800万円といわれています。M-1型は、東京・浅草の新世界をはじめアメリカの博物館など様々な場所に設置され、注目を集めました。現在も現役で稼働しているM-1型は本学のものが最古かつ唯一であり、貴重な存在となっています。

※M-1本体の詳細についてはこちらの資料をご覧ください

プラネタリウムの公開について

プラネタリウムの公開について

プラネタリウムは現在、基本的に6月上旬に行われる海王祭でのみ一般公開しています。
またプラネタリウムの管理・運営は海事普及会の学生が行っているため、お問い合わせは大学の事務室ではなく海事普及会のメールにてお願いいたします。

なお、10人以上39人以下の団体で、希望の日時と学生の都合が合えば、上記の海王祭以外で公開できる可能性がありますので、ご希望の方は当会までお問い合わせ願います。

プラ「レア」リウム33箇所巡り

プラ「レア」リウム33箇所巡り

明石市立天文科学館が主催する珍しいプラネタリウムを巡るキャンペーン「全国プラ「レア」リウム33箇所巡り」に海洋大学のプラネタリウムも参加しています。

国産で最も古いということで登録されていますが、年間公開回数が最も少ないという面でも「レア」な存在になっています。

詳しくは明石市立天文科学館のホームページをご覧ください。

修理・整備

修理・整備

~減速装置の整備~(2014年度冬)

プラネタリウムには日周運動、年周運動、歳差運動、緯度変化の回転装置があります。その動力はそれぞれ独立した直流電動機からウォームギアと呼ばれる減速装置を介して各部に伝達されます。この減速装置のグリースが切れると歯車が磨り減って故障してしまいます。

それを防ぐため、減速装置を分解して一旦古いグリスを完全に取り除き、新しいグリスに入れ替える作業を行いました。

sliping

中央部カバーを取り外し、歳差駆動モーターを取り外したところです。中央部に何重にも写っている銅色の輪はスリップリングという電気を通すレールで、この上をブラシという電極が滑るようにして固定部分から回転部分へ電線を使わずに電気が伝わります。電線でつなぐと回転するうちに巻きついてしまうのでこのようなしくみになっています。

歯車の分解、清掃

歯車や軸受に詰まった古いグリスや金属粉などの汚れを洗浄油を使いながらきれいに取り去ります。写真右に見えるのは回転装置の直流電動機です。

歯車の分解、清掃

今回は年周運動、歳差運動の2つの回転装置を整備しました。この2つの回転装置には同じ部品が使われていますが、一部、組み立て方が違うので組み立てには少し注意が必要です。

2代目看板の設置(2014年度冬)

プラネタリウムの建物の入り口に設置してある看板も、初代のものは朽ち果てて文字も全然読めなくなっていたので平成26年、2代目の看板を製作しました。同じ大きさの板を購入し、書道の得意な学生の協力の下、製作しました。「天象儀」とはプラネタリウムの日本語名です。

 プラネタリウム看板

近代化改修工事(2015年度冬)

2015年末から2016年初めにかけて五藤光学研究所によりプラネタリウムの近代化改修工事が行われました。

近代化改修工事の様子 近代化改修工事の様子 近代化改修工事の様子

海事普及会で維持整備を続けてきたプラネタリウムですが、メインの電球の在庫が数少なくなってきました。プラネタリウムで使っている白熱電球は特殊なもので現在では手に入らなくなっています。

電球の消費ペースを基にした2015年時点の計算では10年から20年は在庫の電球4つで持つ計算でしたが、これでは上映機会を増やすこともはばかられます。また、以前プラネタリウムについている冷却用のファンが故障して止まったまま運用を続けたため、あっという間に寿命が尽きてしまうという出来事もありました。

近代化改修工事の様子

そのため今回、電球のソケットを交換し、ハロゲン電球を使うことができるようにしました。これにより長期にわたってプラネタリウムを使い続けることができます。また、照度が増したため、今までよりも明るい星空を映し出すことができるようになりました。今までは上映の前に暗順応の時間をとる必要がありましたが、今後は必要なくなるでしょう。

近代化改修工事の様子

また、ハロゲンは白熱電球よりも高温になるため、北極点と南極点を映し出すレンズユニット部にも新たに送風機を取り付けました。周囲のおもりが設置の邪魔をしたため、送風機と干渉する部分を切り取っています。

近代化改修工事の様子

このほかにも、私たちではできなかった調整、修理を行っていただきました。その昔先輩が破損しテープで応急修理をしたままになっていたレンズの取り付け部をねじ切りして、ちゃんと止まるようにしていただいたり、惑星を2016年の設定にしていただいたり、恒星原版の劣化による光の漏れをレンズと伸縮性が等しいエナメル塗料で補修していただいたりと多岐にわたります。なかでも、海洋大学のプラネタリウムならではの機能「航海三角機能」を復活させていただいたことは、今後の海事普及会の活動の大きな支えになると思います。

近代化改修工事の様子 近代化改修工事の様子

海事普及会では使い方が伝承されていない、航海三角機能を再び使えるように研究を進めていくと共に、プラネタリウムのさらなる活用の道を探っていこうと考えています。 最後に、プラネタリウムの改修工事を赤字覚悟で実施してくださった五藤光学研究所の皆さま、改修工事の予算をつけるべく奔走してくださった教授の方々に厚く御礼を申し上げます。

近代化改修工事の様子